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容器メーカーの見たバイオプラスチック

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バイオマスプラスチック
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「環境にやさしい」という言葉はいつごろから使われ始めたのでしょうか?
包装容器業界で生産する製品の多くは、1度使用した後は廃棄物になることが多いので、「環境にやさしい」容器開発は主なテーマのひとつです。
以前は、環境にやさしくても必ずしも売上が伸びるわけではない、という反応も多かった気がします。
近年、化石資源の枯渇、CO2(二酸化炭素)の削減、などの問題の解決策の一つとして、バイオプラスチックが注目されています。
弊社はブロー成形や射出成形をおこなっていますが、改めて整理をしてみたいと思います。

 

今なぜバイオプラスチックなのか?

菅総理大臣が2020年10月の所信表明演説で、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。

この中で次のように述べられています。

もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。

更に2021年4月、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標について、菅総理大臣は、政府の地球温暖化対策推進本部の会合で2013年度に比べて46%削減することを目指すと表明しました

こうした政府の方針で、バイオプラスチックの普及にも拍車がかかると考えられています。

この動きの背景に「パリ協定」があるのは、ご存じの方も多いと思います。
「パリ協定」は気候変動に関する、国際的な枠組みです。「パリ協定」は2016年に発効し、日本もその締結国の一つです。

「パリ協定」の長期目標は次のとおりです。

世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。
そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる。

菅総理大臣が宣言した2050年の「カーボンニュートラル」はこの長期目標に沿った方針ですが、「カーボンニュートラル」とはどのようなことなのでしょうか?

 

カーボンニュートラルとは

 

ライフサイクルの中で、二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロのことを言います。

言い換えると、二酸化炭素の排出される量と吸収される量が釣り合っている状態の事です。

現在世界で使用されているプラスチックの多くは原油から(あるいは石炭、天然ガスから)作られています。この場合廃棄して焼却されるとCO2(二酸化炭素)が大気中に放出されます。
原油からできたプラスチック

一方、植物由来の原料で造ったプラスチックがあるとします。植物は生育する際に光合成の為大気中のCO2を吸収し酸素を放出しています。ですからこの植物を原料とした(あるいは含まれる)プラスチックを廃棄して焼却する際にCO2が大気中に放出されたとしても、CO2の総量は変わらない、と考えるのが「カーボンニュートラル」です。

このようにバイオプラスチックは「カーボンニュートラル」の実現のカギを握っているわけです。

 

なんとなくわかりにくい?バイオプラスチック

バイオプラスチックとは何か?といわれてきちんと説明できる人は少ないかもしれません。

2018年6月19日第四次循環型社会形成推進基本計画ではバイオプラスチックは次のように定義されています。

「バイオマス由来のプラスチックと生分解性プラスチックの総称」

これだけだとわかりにくいですね。

バイオマス由来とはエネルギーとして使用できる生物由来原料を用いているという事です。
バイオマス由来のプラスチックとは、生物由来原料という使用原料に着目した分類です。

生分解性プラスチックとは、使用後に自然にかえるプラスチックの総称です。
つまり、使用後の廃棄性に注目した分類です。

原料と機能(廃棄性)というちがう視点での分類がひとつの定義に入っているので混乱するかもしれません。

ここでポイントは バイオプラスチックのすべてが生分解するわけではないということです。

ちなみに 日本バイオプラスチック協会(JBPA)は 「原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み、化学的または生物学的に合成することにより得られる高分子材料」と定義しています。

 

まとめ

バイオプラスチック最近の動きとカーボンニュートラルについてまとめてみました。

今後大手企業が 「カーボンニュートラル」「脱炭素社会」への取り組みを加速させると思われます。その結果いろいろな種類のバイオプラスチックが登場し、お客様のニーズも多様化するはずです。

弊社としても継続的な研究開発により一層知見を深めていきます。

 

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